もんめシリーズ vol.10
じゅうもんめコンサート
るふらん あきら あおいとり  ほんに今夜は春の宵

2014年3月28日(金) 午後7時開演(午後6時30分開場)
第一生命ホール(大江戸線 勝どき駅より徒歩8分)

指 揮:栗山文昭
ピアノ:浅井道子 寺嶋陸也
ギター:鈴木大介

<出演>
合唱団るふらん
うつのみやレディーシンガーズ晶
女声合唱団青い鳥

■program
うつのみやレディーシンガーズ晶
 寺嶋陸也 女声合唱のための「エチュードとインヴェンション」
      〜さまざまな旋法による〜
合唱団るふらん
 三善 晃 女声合唱のための組曲「月夜三唱」
女声合唱団青い鳥
 鶴見幸代 八重山民謡「ムル焼け〜女声合唱のための」
合同演奏
 松本 望 「秋の天使」
 木下牧子 「ソルシコス的夜」女声アンサンブルとギターのための
 新実徳英 「憶良の詠へる」―女声合唱とピアノのために―

■チケット(当日500円増)
指定席:3,000円  自由席:2,000円



【あたまのなかにも靄がある】
 先月の終わり頃、練習が終りいつものようにお酒を少々飲んで帰宅。今この原稿を書いてる書斎の机で翌日(当日だったかな)の仕事の準備を終えて立ち上ったら、ふらふらゴツン(頭を打った音)と倒れた。音で家の者が駆付けたがその後の記憶が無くなっていた。しばらくしてぼんやりと意識がもどってはきたが、熱が高くなり吐気がして、どういうわけか頭とくびが無性に痛い。特にくびの痛さは異常である。二日我慢して大学病院へ行き、検査の結果は《Crowned dens syndrome》という突然起る病気で、私の場合は頸部の急性偽痛風で軸椎歯突起症候群と言うらしい。疾患の説明によると「比較的ご高齢の方が、突然くびが痛みのため、回らなくなる疾患です。偽痛風というのは、ピロリン酸カルシウムの沈着が引き起こす関節炎で、くび以外にも、膝や足部に起こることが多いとされています。ピロリン酸が組織に沈着すると、急性発症の強い炎症が起こるため、激しい痛み、くびの可動域制限(特に回旋)、発熱などの症状が出現します。異常長々!」
 自業自得と青天の霹靂で起った病気をこうして未練気に訴えているのは、この原稿をあの机で書いているいま(三月二〇日)も、首の鈍痛は続いており、しかもまだふらつき、練習に支障を来しているからだ。それに、男は八の倍数の年に病気になりやすいとテレビのコマーシャルで言っていた通り、私はこの一月に七二歳になり、まさに八の倍数になったばかりだし。
 それでも演奏会はやってくる。
 昨年の「くもんめ」は本当に苦しかった。実際に終ってすぐ「ICD」の植え込み再手術を行った。今年はその厄払いのつもりで、なまあったかい靄(もや)もある春の宵に、愛のあるかもしれない比較的若い三つの女声合唱団で演奏会をすることにした。「月夜三唱」以外はこの一、二年に作曲された曲が並んだ。女声合唱の未来が少し見えるかもしれない。
 三善晃は、合唱団るふらん「三善晃女声合唱作品連続演奏会vol.1」に、未知の情感の韻律、と題して書いている。 「なぜ女声合唱? ということは、なぜ弦楽四重奏? ということと同じです。作曲者の『表現したいもの』は初めから『音のたたずまい』として『聴こえて』います。それが女声合唱だったり弦楽四重奏だったり、あるいは突飛な編成だったりします。ですから、音の発音媒体(声や楽器、その編成)は、選ばれるのではなく自ら現れるのですね。ほんのかすかに、あるいはその気配がするだけ、という現れ方もありますが、作曲者にとってそれは現実です。その僅かな現実を手探りしていって、自分との関係が濃密になってゆくと、やっとそれを覚え書きの形で書き留めることになります。」
 じゅういちもんめは、今年五月一七日土曜日午後五時半開演(タケミツメモリアルホール)、私が初演した三善晃作品を集めて演奏会を行う。どうか、くびが良くなっていますように。それまでには。

                         指揮 栗山文昭

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